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商標登録のメリット(したほうがよい理由) 

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商標権の取得すべき理由を5つの観点からご紹介いたします。

前提:制度上のルール

日本では 先願主義 が採用されており、早く出願した人が権利を取得できます。
このルールを踏まえて早めに出願することで、以下のような具体的なメリットが得られます。
 

1️⃣ 法的メリット(守りの力が段違い)

商標権による権利保護

  • 指定商品・サービスの範囲で登録商標を 独占的に使用 できます。
  • 商標権の同一・類似の範囲で、他人による使用の排除ができ、後発によるフリーライド(タダ乗り)や権利侵害を防止できます。

差止・損害賠償請求が容易

  • 権利侵害があった場合、使用停止・廃棄・損害賠償請求が可能です。
  • 未登録の場合、不正競争防止法による立証が必要で、対応に手間と時間がかかります。

法的リスクの低減

  • 後発が先に出願・登録して権利を主張してきた場合の、看板掛け替え・在庫廃棄・アプリ名変更などの損失を回避できます。

税関差止・迅速対応

  • 登録商標があれば、模倣品の税関差止が可能。
  • 権利立証が容易なため、ローンチ直後のなりすましや悪質転売への初動対応も速く行えます。
 
 

2️⃣ 事業・経営メリット(攻めの資産化)

ブランドの資産化

  • 商標権は譲渡・売買・担保設定・会計上の無形資産計上(厳しい評価あり)・企業価値評価の対象になります。

ライセンス収益・フランチャイズ

  • ライセンス契約やOEM/ODM・FCで 対価を得る根拠 になり、交渉力が向上します。

投資・M&Aでの信頼

  • 公開公報による権利情報が明確なため、デューデリジェンスでの権利クリアが確認でき、再ブランディング費用や訴訟リスクを減らせます。

社名やサービス名の保全

  • 商号登記だけでは商品・役務の標章は守れません。
  • 事業名・プロダクト名・ロゴは商標で保護するのが最適です。

更新で半永久

  • 10年ごとの更新で半永久的に保持でき、ブランド寿命を延ばせます。
 
 

3️⃣ マーケ・デジタル運用メリット

模倣・なりすまし抑止

  • サイト・パッケージ・広告・SNS・アプリ上で ® 表示により心理的抑止力が働きます。

ドメイン・ハンドル紛争で有利

  • JPドメインやUDRP等の紛争で権利者として主張しやすくなります。

広告運用の安定

  • 検索連動型広告での指名キーワード広告や誤用に対し、明確な根拠で調整・申立が可能です。
 

4️⃣ 海外展開メリット

海外への扉を開く第一歩

  • 国内で商標を取得することは、海外での権利取得やブランド展開の土台になります。
  • 国内出願や登録が、海外での商標権取得の際に、優先権や交渉上の有利性を生み、世界進出への足がかりになります。
 
 

5️⃣ 登録しない場合との比較(誤解の解消)

未登録でも使える?

  • 使えますが保護は限定的です。
  • 不正競争防止法頼みとなり、周知・著名要件や混同の立証が重く、スピード勝負に弱いです。

商号登記があれば十分?

  • 商号登記は会社名の登記であり、商品・役務の標章は守れません。
  • 商品・役務名の保護は商標登録が最適です。
  • 屋号や商号であっても商標登録すべき場合がございます。

ロゴだけ登録でOK?

  • ロゴ商標と文字商標では権利範囲が異なるため、両方の取得が最も強固です。

一度取れば一生?

  • 更新しないと消滅します。
  • 3年以上の不使用で取消されることもあるため、使用と更新がセットで重要です。