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積極表示とは?


商標登録出願時には、指定商品・役務の選択が必要になります。
この指定商品・役務の名前は、特許庁が定めた広いジャンル名(包括表示)から選択しますが、あえて具体的に書く(積極表示)方法もあります。
今回はこの積極表示を中心に、指定商品・役務の書き方について解説します。
 

商標を使用したい商品・サービスの名前がありません。

近い指定商品・役務をご選択いただき、お申し込みください。

Cotoboxの検索画面に表示される指定商品・指定役務は、特許庁が示す基準(包括表示)をベースにしています。
よって、商品・サービスのジャンルによっては、適当な指定商品等がない場合もございます。
この場合は、近しいと思う指定商品等を選択してお申し込みいただき、担当弁理士にご相談ください。
担当弁理士が適切な指定商品・役務をご提案するか、または「積極表示」をご提案いたします。
 

積極表示とはなんですか?

指定商品・指定役務の表記を絞ることです。

指定商品・指定役務の表記は固定的なものでなく、実際の事業内容に合わせて具体的にすることができます。これを積極表示といいます。
商標を使用する商品・サービスが明確に決まっており、それが限定的なものである場合は積極表示が行われることがあります。
例えば下記のような表記が認められています。
第5類 サプリメントについて、
「アミノ酸を主原料とした液状の加工食品,乳酸菌を主原料とするサプリメント」と記載すること。 第30類 パンについて、
「あんぱん クリームパン ジャムパン 食パン バンズ」と記載すること。

積極表示のメリットは?

①不使用取消審判で取り消されにくくなる

商標は、指定した商品・役務の範囲で3年以上使用しないと、取り消される可能性があります。
しかし、積極表示により確実に商標を使用する商品・役務の範囲に限定して権利を取得すれば、不要な範囲で商標権を取得してしまうことを防止できます。

②商標を使用する商品・サービスが明確になる

例えば上記漫画(01)のケースように、ビジネスパートナーを探せるマッチングサービスの名称を商標登録したいとすると、第44類を選択することになります。
しかし包括表示では「結婚や交際相手の紹介」と表記されるため、他者が公開公報を見た時にサービスの内容が伝わりません。
そこで積極表示を行い、「ビジネスパートナーの紹介」と表記することで、他者から見てもサービス内容が明確になります。

③商標を保護したい範囲で、確実に保護できる

例えば上記漫画(02)のケースようにニッチな商品・サービスに使用する商標については、積極表示をすることによって、確実に商標権を取得したい範囲で商標を独占することができます。

③審査に通りやすくなる

先行商標と同一・類似の指定商品等を選択して出願すると、出願が拒絶されます。
この場合に積極表示によってあえて権利範囲を狭めることで、他者の先行商標との不要な権利範囲重複を避けることができ、審査に通りやすくなる場合があります。
 

積極表示のデメリットは?

①商標権の権利範囲が狭くなる。

商標権の権利範囲は指定商品・指定役務の記載によって決まるため、包括表示の中から選択した場合よりも、積極表示した場合の方が権利範囲が限定されます。
第三者が登録商標を指定商品・指定役務以外に使用しても、商標権者は権利行使をすることができません。

②取りこぼしの可能性がある

また事業拡大等により、登録商標を使用する商品・サービスが後発的に増えた場合は、再度出願手続きを行わなければ、その範囲内で商標を保護できない点にも注意が必要です。
 
積極表示は将来の事業計画等に合わせ、メリット・デメリットを踏まえてご検討いただく必要がございます。
初めから積極表示をご希望の場合は、近しい指定商品等を選択してお申し込みいただき、その旨を担当弁理士にご相談ください。