どのパターンのロゴを選択すべき?
この記事は、ロゴ商標を出願する方向けです。
どのロゴを出願すべきか、どのようにすれば効率よく権利範囲をカバーできるかご不安な場合は、ロゴの様態別の方法を参考にしてみてください。
【シンボルマークとデザイン文字が組み合わさっている場合】
(1)最良の方法:シンボルマークとデザイン文字を分けて出願する
ロゴのデザインが「シンボルマーク」と「デザインされた文字」の組合せで構成されている場合、要素に分解し、別々に出願するのがおすすめです。
これにより、並び順を変えたり単独で使用したりと、様々なシーンに適応させることができます。

<なぜ別々に出願するのか>
例えば、シンボルマークとデザイン文字が一緒になったロゴを商標登録した場合に、誰かに一部改変されたロゴを無断で使用された際に権利を主張することは可能です。
しかし、完全一致ではないため、相手方には反論の余地を残すことになってしまいます。
これに対し、別々で商標登録していれば、改変されていない部分のみで商標権を有しているので、権利をより強く主張することができます。
(2)コストを抑えたい場合
前述のとおり、最も確かで安全な方法は、シンボルマークとデザイン文字を分けて出願することですが、出願件数が増える分、費用も増してしまいます。
そのため、コスト重視の場合は、組み合わされたパターンのうち最も使用するものを出願することも可能です。

【デザイン文字のみを使用している場合】
例えばGoogleやSONYのように、「シンボルマークのないデザインされた文字のみのロゴ」を持っている場合はどうでしょうか。
文字商標とロゴ商標を両方登録することが望ましいのですが、どちらかに絞る必要がある場合は、文字商標を優先するのがおすすめです。
一方、ロゴのデザインが特徴的で重要な意味を持つ場合は、ロゴ商標として出願することをおすすめします。

なぜなら、文字商標はネーミングの独占権が発生する、つまり名称が保護された状態になるため、ブランド保護の観点では先決であると考えられるためです。また、ロゴのデザインは事業の展開により変更となることがあります。
【シンボルとデザイン文字が一体となっているロゴを使用している場合】

このように「シンボルマークとデザイン文字が一体となっていて切り離し難いロゴ」は、使用しているロゴをそのまま出願してください。
【色違いのロゴがある場合】
ロゴはカラーを含めてデザインされることが多いですが、たとえカラー版を登録したとしても、シーンによってはモノクロ版を使用することもあると思います。
登録したロゴの色違いを使用した場合は保護されるのでしょうか。

結論は、「色違いのロゴを使用した場合にも保護が及ぶ」です。
商標は類似の範囲まで保護され、そして、色の違いは類似に含まれると解されるからです。
商標は類似の範囲まで保護され、そして、色の違いは類似に含まれると解されるからです。
そのため、カラーでロゴをご用意されている場合は実際に使用する色を、色違いでロゴをご用意されている場合は使用頻度が高いパターンを登録することをおすすめします。
関連情報
・商標入門ガイド:ロゴの商標登録はどうすべき?
・商標入門ガイド:商標の称呼とは?
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